
共有カレンダーの私の誕生日に、彼が入れたのは「作業」という予定だった
コラム
迎えた誕生日
迎えた誕生日、彼はやはり出かけていきました。「今日はちょっと遅くなる」とだけ言い残して。私はひとりで部屋にいて、お祝いの言葉もないまま時間が過ぎていきました。
帰ってきた彼は、両手で大きな木の本棚を抱えていました。角の面取りまで丁寧にされた、手作りのものです。「ずっと、これを作ってた」彼はそう言って、少し照れたように笑いました。
私がいつか本棚がほしいと話したのを、覚えていてくれたのです。うれしいはずなのに、この日ずっとひとりだったさみしさが、消えてくれませんでした。
そして...
その本棚を前に、私は思っていたことを伝えました。
「ほしかったのは、一緒に過ごす時間だったんだよ」
彼は少し驚いた顔をして、それから「そうだよな。ごめん」と、ゆっくりうなずきました。彼が私のために費やしてくれた時間を、うれしく思う気持ちは本当です。それでも、贈り物より先に、ただ隣にいてほしかった。その正直な気持ちは、伝えてよかったと思っています。
本棚には、これから二人で少しずつ本を並べていくつもりです。次の誕生日は、なにを作るかではなく、どこへ行こうかと一緒に考えられたら。そう思える自分に、私は少しほっとしています。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























