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彼女の誕生日に「作業」の予定を入れた僕が、その日の終わりに気づいたこと

コラム

借りた作業場で、僕は木材にやすりをかけていました。彼女がいつかほしいと言っていた本棚を、自分の手で作るためです。完成すれば、きっと喜んでくれる。そう信じていた僕は、その予定が彼女を不安にさせているとは、思ってもいませんでした。

自分の手で作りたかった

僕たちは付き合って二年、一緒に暮らし始めて半年になります。誕生日が近づいてきて、僕はどうしても、ありきたりではないものを贈りたいと思っていました。

以前、何気なく選んだ贈り物を渡したとき、彼女は笑ってくれたけれど、自分の中ではどこか物足りなさが残っていました。彼女には、もっと特別な気持ちを形にして伝えたい。本棚がほしいと前に話していたのを思い出し、それなら自分の手で作ろうと決めたのです。

正直に言えば、買ったものではなく、手間をかけたものでなければ、僕の気持ちは本物だと思ってもらえない気がしていました。

あえて、そっけなく返した

作業には丸一日かかりそうで、当日の予定を空けておく必要がありました。共有カレンダーは彼女の目にも触れるのに、本当の中身を知られたくなくて、僕はあえて「作業」とだけ書き込んだのです。

作業を始めてから、僕は彼女に少しよそよそしくしてしまっていました。驚かせたい気持ちが先に立って、出かける理由もはっきり言えなかったのです。

そんなとき、彼女から画像とメッセージが届きました。「この日って、なにか予定入れちゃったの?」本当は、その日が彼女の誕生日だと、僕はちゃんとわかっていました。それでも勘づかれたくない一心で、「ごめん、その日はずっと作業の予定なんだ」と、わざとそっけなく返しました。

完成したときの顔を想像すれば、今は隠し通すほうがいいと思い込んでいたのです。あの短い返信が彼女をどれだけ不安にさせていたか、当時の僕は何も考えていませんでした。

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その日の終わりに
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