
「育児は協力してます」と投稿した夫。写真の片隅に映っていたのは、洗い物をする私でした
コラム
ガラスに映っていたもの
投稿を眺めていると、新しいコメントが一件、目に留まりました。「後ろのガラスに映ってるの、奥さんですか?」。言われて写真をよく見ると、夫の背後の窓ガラスに、部屋の明かりでうっすらと室内が映り込んでいたのです。そこにいたのは、シンクの前で背中を丸め、洗い物をする私の姿でした。笑顔で息子を抱く夫の、すぐ後ろに。そのコメントを境に、ほかの人たちも気づきはじめます。「あれ、奥さんが家事してませんか?」「これが協力なんですか?」。並んでいた称賛が、少しずつ違う色に変わっていきました。
そして...
それから少しして、コメントを見た夫が、洗い物をしていた私のところへ来ました。「ごめん。ずっと君に任せきりだった」。返ってきたのは、いつになく素直な声でした。写真を消すかどうか、私はあえて聞きませんでした。消したところで、あの一枚が映していたものは変わらないからです。ただ次の日から、夫は何も言わずに哺乳瓶を洗いはじめました。カメラを向けることもなく。私が本当にほしかったのは、立派なパパの写真ではなく、この当たり前の後ろ姿だったのだと思います。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























