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SNSでイクメンを演じ続けた俺が、自分で撮った一枚の写真で失敗した話

コラム

称賛のコメントが伸びていくのが、正直うれしかった。けれど見知らぬ誰かのひと言をきっかけに、俺は自分の撮った写真の片隅から、目をそらせなくなったのです。

通知欄には、見知らぬ人からの「いいね」が、次々と積み上がっていきました。息子を抱いた俺の写真は、その日いちばんの反響を集めていたのです。妻が何をしているかも気にとめず、俺はただその数字を眺めていました。

たまに抱けば父親だと思っていた

職場でも友人の集まりでも、子育ての話になると、俺はうまく輪に入れずにいました。みんなが当たり前にしている育児を、自分はほとんど妻に任せていたからです。だからSNSに息子との写真を載せると、知らない人から「いいパパ」だと言ってもらえるのが、どこか救いでした。その日も、洗い物をしている妻のそばで眠る息子を見て、俺は思いつきました。「ちょっと抱っこさせて、写真撮るから」。窓を背に息子を抱え、何枚か撮ると、すぐに妻へ返します。たまに少し抱けば父親なのだと、本気でそう思っていたのです。

「育児は協力してます」の一言

投稿に添える言葉は、すぐに決まりました。「育児に協力してます」。送信すると、「素敵なパパ」「理想のご主人ですね」と、次々にコメントがつきます。その一つひとつが、自分を認めてもらえた証のようで、何度も読み返しました。本当は、授乳も哺乳瓶の用意も、ほとんど妻がやっていることを、俺は知っていました。それでも、写真の中でだけは立派な父親でいられる。嘘をついている自覚はないまま、見られたい自分だけを切り取って、世界に向けて差し出していたのです。

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