
「エチケットでしょ?」人混みでスプレーを止めない男性→ひとりがしゃがみ込んだ瞬間に形勢逆転
コラム
動き出した、まわりの人たち
その瞬間、まわりの空気が変わりました。「こちら、日陰が空いてますよ」と、後ろにいた人がすぐに場所を空けてくれます。別の人は持っていたうちわで風を送り、「お水、飲めそうですか?」とペットボトルを差し出しました。
誰かがスタッフを呼びに走り、人垣がさっと割れて、風の通り道ができていきます。さっきまで言い返していた男性は、その光景の前でスプレーを持つ手を下ろしました。
「エチケットでしょ?」という言葉は、もうどこにも響きません。人を思いやるというのは、正しさを口にすることではなく、目の前の誰かに気づくことなのだと、その場の全員が体で示しているようでした。
そして...
しゃがみ込んでいた女性は、日陰でしばらく休むうちに少しずつ顔を上げ、まわりに何度も頭を下げていました。大ごとにならずにすんで、本当によかったと思います。
あの男性も、最後は黙ってその場を離れていきました。彼を責めたい気持ちより、不思議とすっきりした気持ちのほうが残っています。
マナーやエチケットという言葉は、自分の正しさを守る盾ではないはずです。隣にいる人がどう感じているかにそっと目を向けること。その小さな気づきこそが、人混みの中でいちばん大切なのだと、これからは私も忘れずにいたいと思いました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























