
「模様替えしてみた」と彼が送ってきた写真→私のハンガーだけが、跡形もなく消えていた
コラム
もう一方の扉
合鍵を使って部屋に上がると、彼はクローゼットの前で何かを並べていました。私は思いきって、「ハンガー捨てた?」と聞きました。彼はきょとんとした顔で振り返り、「捨ててないよ。こっちに移しただけ」と言って、扉のもう一方を開けて見せてくれました。
そこには服が一着もかかっておらず、奥に私の木のハンガーが一本だけ掛けられていたのです。隣には、まだ何も載っていない揃いのハンガーが、いくつも余白を空けて並んでいました。
「君の場所、作ろうと思って」
彼はそう言って、少しばつが悪そうに頭をかきました。
そして...
あのスペースは、私を消したしるしではなく、居場所を空けて待っていてくれたしるしだったのです。今その端には、私が選んだ服が、彼の服と同じ向きにかかっています。並んだハンガーの余白は、もう寂しいスペースには見えませんでした。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























