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なぜ私は、預かった同僚の恋も、彼の昇進も、軽く扱ってしまったのか

コラム

守ると約束したつもりはなくても、聞き出したのは私でした。問いただされて返した一言が正しかったのか、いまも答えは出ていません。

机に積んだままの書類が、その日はいつもより重たく感じました。指先で同じ行を二度なぞるばかりで、なかなか前へ進みませんでした。前の日に交わした短いやりとりが、頭の隅に引っかかっていたからです。それが誰かの立場まで揺らすことになるとは、思ってもいませんでした。

「うちらの仲じゃん」と、私が聞き出した秘密でした

その秘密は、私が聞き出したものでした。同僚が誰かと付き合っているらしいと感づいて、私は給湯室で問いかけました。「気になる人がいるんでしょ。うちらの仲じゃん、誰にも言わないからさ」。彼女は何度かはぐらかしていました。それでも私が引かずにいると、ためらいながら打ち明けてくれました。

「実は、同じ職場の人と付き合ってるの。ここだけの話にしてね」。私は、もちろん、とうなずきました。相手が、昇進の話が出ている人だということも、このとき聞きました。けれどそのときの私は、秘密の重さより、打ち明けてもらえた距離の近さに満足していたのだと思います。

二日後、私の軽さが彼の立場まで揺らしていました

先輩に詳しく話したつもりはありませんでした。ただ、否定しなかったというだけです。けれど確信を持った先輩が別の人に伝え、その人がまた別の人へと広げていきました。

二日後、仕事のチャットはその話で持ちきりでした。しかも話は、おめでとうでは終わりませんでした。上司が彼を異動させるのではないか、昇進も消えるのではないか。当人のいないところで、そんな憶測まで並んでいました。私はようやく、自分のしたことの大きさを知りました。彼女が守ろうとしていたのは、二人の時間だけではなかったのです。

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