
「これ、掛けなおしておくね」そう言って別れた俺が、コートのポケットにこっそり忍ばせた最後の言葉
コラム
コートだけは、掛け直したかった
あの日、コートを掛けなおしながら、ポケットに小さく折った紙を滑り込ませました。本当のことは言えないぶん、せめて書いた言葉だけは渡したかったのです。口にできたのは「これ、掛けなおしておくね」、ただそれだけでした。
そして...
あの紙に書いたのは「向こうで、無理だけはしないで」という、ありふれた一文です。彼女が見つけたかどうかは、今も分かりません。それでも、コートのポケットだけは、俺が彼女のそばにいられる最後の場所だと思ったのです。届いていますように。別れを選んだ俺に言える言葉は、たぶんそれだけです。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)




























