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「今日は仕事で会えない」と送ってきた彼→その後花屋にいた彼の手元を見て息をのんだ

コラム

仕事だと言った彼が、私の好きな花を抱えていた。問い詰めることも、本当の気持ちを聞くこともできないまま、私はあの花束が誰のためのものかを考え続けていました。

鏡に映った自分と目が合うたび、口元がほころんでいました。久しぶりに彼と会える日を、数日前からずっと心待ちにしていたのです。その時間が当たり前に続くものだと、このときの私は思っていました。

楽しみにしていた約束が、一通の知らせで消えた

足りないものを買い足しに出ようと玄関に立ったとき、彼からメッセージが届きました。

「今日は仕事で会えない」

それだけの、短い知らせでした。急に決まった残業なら仕方がない。そう自分へ言い聞かせ、私は冷蔵庫に並べた惣菜へラップをかけ直しました。会えない寂しさよりも、彼を気遣う気持ちのほうが先に立っていたのです。

帰り道の花屋で、彼が抱えていたもの

気を取り直して買い物に出た帰り道、駅前の花屋の前を通りかかりました。明るい店内で会計を待つ横顔に、思わず足を止めます。

残業のはずの彼が、そこにいました。両手で抱えた花束のラッピングの隙間から、私の大好きなラナンキュラスがのぞいていました。

花びらが幾重にも重なっていく姿が、少しずつ前へ進む自分みたいで好きなのだと、いつか彼に話したことがあります。誰のための花なのか。声をかけることもできず、私はその場を離れました。

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