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何度も書き直した送別カードを、下書きのまま渡した俺の本音

コラム

転職する彼女に渡すはずだった清書のカードは、今も自分の引き出しの中にあります。「また、」の続きを、いつか口で伝えられる日は来るのでしょうか。

捨てたメモ用紙が、ごみ箱の口で小さな山になっていました。彼女に渡すカードを、何度書いても気に入らなかったからです。たかが送別の一枚に、これほど手間取るとは思っていませんでした。書けば書くほど、本当に言いたい一行から遠ざかっていく気がしました。

寄せ書きはすらすら書けたのに、個人的に渡すカードは書けない

送別会の前日、葛藤していました。チームの寄せ書きには、当たり障りのない言葉をすらすら書けました。お世話になりました、お元気で。誰に見られても角の立たない一行です。けれど自分の名前で渡す一枚になると、その手の言葉がどれも嘘くさく見えてきます。一緒に残業した話も、助けてもらった話も、書いては長すぎて消しました。短くすると、今度は何も伝わらない。最後に残ったのは、「また、」という書きかけだけでした。

「ちゃんと書けなくて、ごめん」の意味

見送りの輪ができる前に、封筒を渡すのがやっとでした。じつは、きれいに書き直した清書も用意してはいたのです。でも最後に手が伸びたのは、消し跡だらけの下書きのほうでした。整った一枚より、迷った跡の残るこっちのほうが、まだ嘘がないと思ったからです。「ちゃんと書けなくて、ごめん」。そう言うのが精一杯で、その続きは伝えることができませんでした。彼女が困った顔をしたのも、当然だと思います。

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