
彼が送ってきた駅構内の地図。遠回りの矢印だけが不安を大きくした
コラム
彼から届いた駅の地図には、遠回りの矢印だけが描かれていました。理由を聞いても返事はなく、靴擦れした足でその道を歩きながら、私は彼に避けられているのかもしれないと考えていました。
遠回りを示す矢印だけの地図
その日は彼と駅で待ち合わせをしていました。私は新しい靴を履いて出かけたのですが、途中から靴擦れしてしまい、歩くたびにかかとがこすれていました。彼にも、足が痛いことはメッセージで伝えていました。
駅に着く直前、「いつもの出口でいい?」と送ると、彼からすぐに画像が届きました。駅構内の地図に赤い矢印が引かれていて、いつもの出口とは反対方向へ大きく回る道が示されています。
文字はありませんでした。「なんでこっち?」と送っても、返事は来ません。混んでいるからなのか、どこかに寄りたいのか、それとも私と会う場所を変えたい理由があるのか。矢印だけの地図が、歩く前から重く感じました。
返事のないまま歩いた道
足が痛いことは、彼にも伝えていました。それなのに理由もなく遠回りを示されると、彼の事情を優先されたように感じました。何度も画面を開き、返事が来ていないことを確かめながら歩きました。
遠回りの通路は人が少なく、座れる場所もありませんでした。早く彼に会いたい気持ちより、どうして説明してくれないのかという不満が大きくなっていきました。
彼が何かを考えてくれている可能性もありました。でも、何も言われないまま動かされているように感じると、優しさかどうかを信じる余裕がなくなります。私は地図の矢印に従いながら、少しずつ彼を疑っていました。
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エレベーター前で聞いた理由

























