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「ああ、ちょっと借りてる」そう言って2人の写真を飾らない彼に、心が冷えていきました

コラム

同棲を始めた部屋の棚に、2人で撮った写真を飾りました。ところがある日、その写真だけがフレームから抜かれていました。彼に聞くと返ってきたのは、「ちょっと借りてる」という返事だけ。飾ることさえ避けられた気がして、私はその理由を考え続けていました。

棚に置いた2人の写真

彼と暮らし始めて、まだ部屋には引っ越しの箱がいくつか残っていました。家具の配置も決まりきっていませんでしたが、私はこの部屋に2人のものを増やしていきたいと思っていました。

引っ越しの日に撮った写真を現像して、白いフレームに入れたのもそのためです。棚のいちばん見えるところに置けば、この部屋が2人の場所になっていく気がしました。

ただ、彼は仕事で帰りが遅くなり、話す時間も前より減っていました。だからこそ、写真くらいは見える場所にあってほしかったのです。

空になったフレーム

ある日、棚を見ると写真がなくなっていました。フレームごと移動したのかと思いましたが、引き出しの中から出てきたのは、写真を抜いたあとの空のフレームでした。

彼に「あの写真、どこに置いたの」と聞くと、彼は手帳を閉じながら「ああ、ちょっと借りてる」と答えました。それ以上の説明はありませんでした。

借りるという言い方が、妙に軽く聞こえました。飾るのが嫌だったのか。誰かに見られたくなかったのか。仕事の連絡に戻る彼を見ながら、私は写真の行き先より、彼が理由を話してくれないことのほうが気になりました。

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手帳から落ちた1枚
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