
「同じ歳なのに」褒められる私が従妹へ明かした事実
コラム
褒め言葉が増えるほど、言えないことも増えていきました。
数日後に送った短いメッセージが、従妹との距離と、止まっていた私自身を動かし始めます。台所で湯のみを洗いながら、私は居間から聞こえる自分の名前を数えていました。
褒められるほど
居間では、私の勤め先の話が続いていました。父が誇らしげに語るその会社を、私はもう辞めています。少し前、叔母が従妹の母に言うのが聞こえました。
「同じ歳なのにねえ」
子どもの頃から、テストの点も進路も、従妹と並べて語られてきました。褒められる側は楽だと思われがちですが、あのときの私は笑えず、手元の湯のみだけを見ていました。
従妹にだけ
洗い物を口実に、私は席を立って台所へ逃げてきたのでした。しばらくして、従妹が食器を下げに入ってきます。この人の前でだけは、居間の私のままでいたくないと感じました。
「私、会社辞めたんだ。まだ誰にも言ってないんだけど」
口に出すと、数カ月1人で抱えてきたものが少しだけ軽くなりました。従妹は泡のついたお椀を持ったまま、こちらを見ています。
次のページへ
本当はずっと

























