
「触らないでください」客を警戒した僕が、次に脚立を運んだ理由
コラム
店に入ってまだ日が浅かったころ、壁のギターを見ている客へ「触らないでください」と声をかけました。その人が手を後ろで組んでいたことも見えていました。それでも僕は、先に注意しておくことを選びました。
客の手ばかり見ていました
前の勤め先でも売り場に立っていたため、値の張る商品を傷つけないよう気を配ることには慣れていました。この店でも、高い位置に掛かった楽器を見ている客がいると、手元を確認するようになっていました。
働き始めて間もないころ、棚の前にいた客へ声をかけても返事をもらえず、そのまま帰られたことがあります。それ以来、客との距離の取り方に迷うくらいなら、先に注意しておけばいいと考えるようになっていました。
その人は、入荷したばかりのギターを見上げていました。両手は後ろです。それでも僕は斜め後ろまで近づきました。
「触らないでください」
その人は手を胸の高さまで上げ、壁から1歩離れました。僕はそれ以上話さず、レジへ戻りました。
警戒が正しいと思いたかった
レジへ戻ってからも、その人の動きが気になりました。小物を手に取ると顔を上げ、棚へ戻すところまで見ます。目が合うと伝票へ戻り、また店内を確認しました。
途中から、その人は両手をポケットへ入れて歩いていました。当時の僕は、注意したから触らなくなったのだと受け取りました。
自分が客を不快にさせた可能性より、自分の判断が正しかったと思える材料を探していたのだと思います。
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オーナーが教えてくれたこと




























