
娘に荷物を断られた私は、なぜ最後の箱を軽くしたのか
コラム
「余ってるだけだから、気にしないで」そう答えながら、私は娘がまだ小さかった頃の台所を思い出していました。
ガムテープを箱の縁で止めかけて、私は詰めたばかりのレトルトを棚に戻しました。
娘に届ける段ボール
春から1人暮らしを始めた娘に、毎週のように荷物を送っています。缶詰、レトルト、洗剤、タオル。スーパーで安売りを見るたび、娘の顔が浮かんで手が伸びます。昔から心配ばかりの母親でした。遠足の前日には持ち物の確認を繰り返し、進学の時も就職の時も、口を出しては呆れられました。それでも、初めての1人暮らしで娘が困っていないか、確かめる方法が私には荷物しかありません。付箋に「ちゃんと食べてる?」と書き込む時間だけ、離れて暮らす娘の隣にいられる気がしたのです。
電話の向こうの硬い声
電話で娘に言われました。「荷物、もう送らなくていいよ」硬い声でした。重荷になっていたのだと、認めるのが怖くて、「余ってるだけだから、気にしないで」と返し、天気の話に変えてしまいました。通話のあと、次に送るつもりだった箱を寝室へ運びながら、考えていたのは娘を責める言葉ではありません。あの子はもう、自分の生活を自分で選べる。それを一番喜ぶべきなのは、私のはずでした。
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小さな口に合わせて変えてきた味
























