
妻への返信を後回しにしていた俺が、食卓で気づかされた本当の順番
コラム
「嫌われたくなくて、必死だったんだと思う」。連絡が来なくなった家の心細さの中で、俺はようやく、自分が誰を待たせ続けてきたのかを理解しました。
息子からの通知に箸を置いて返信した俺を、妻は無言で見ていました。
口をきかなくなった息子
息子が中学に上がってから、家の中で俺と話さなくなりました。それでもメッセージでは「今日って塾ある?」と聞いてくる。俺にとって、その短い通知は息子との数少ない接点でした。逃したら次はない気がして、どこにいてもすぐ返す。一方で、妻からの「牛乳、まだある?」は開いたまま、帰ってから答えればいいと思い込んでいました。急ぎじゃないから、ではなく、妻なら待ってくれるという甘えでした。
箸を置いた食卓で
その夕食の席で、俺は息子の通知にまた箸を置きました。返し終えて顔を上げると、妻がこちらを見ていました。「私の連絡は、後回しでいいんだね」。とっさに出たのは「あとでちゃんと返そうと思ってた」という言い訳でした。嘘ではないけれど、その「あとで」が何度も破られてきたことは、俺自身が一番知っていました。妻は食器をまとめて席を立ち、俺は未読のままの牛乳のメッセージをようやく開きました。
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来なくなった連絡
























