
逆さに壊された私の傘、「傘ごときで、そんな怒る?」と笑った彼が寝坊をやめた
コラム
骨の折れた傘を掲げて笑う彼と、声を張り上げた私。謝罪と約束を受け取ったあとも、あの言い方だけが引っかかっています。
玄関の傘立てには、彼の黒い傘だけが、雨の日の朝に取り残されていました。
傘立てから消えたベージュ
同棲している彼と私は、出勤の時間が少しずれています。台風が迫った強い雨の日、先に家を出たのは彼でした。後から玄関に立った私は、去年自分で選んだベージュの傘が見当たらないことに気づきます。かばんの底の折りたたみ傘を広げ、肩とスカートの片側を濡らしながら駅までの道を歩きました。
笑いながら帰ってきた彼
先に帰り着いた私が夕食の支度をしていると、玄関の鍵が回りました。「雨やばいね」笑いながら入ってきた彼の手には、骨から布地の外れた、私のベージュの傘。2本の骨が反対側へ折れ曲がっていました。「なんで自分の傘で行かなかったの」私が聞くと、彼は靴を脱ぎながら軽く返しました。「傘ごときで、そんな怒る?」
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ごときじゃない

























