
逆さに壊された私の傘、「傘ごときで、そんな怒る?」と笑った彼が寝坊をやめた
コラム
ごときじゃない
その一言で、こらえていたものが切れました。「私が選んで買った傘なの。ごときじゃないよ」。玄関に立ったまま、私は声を張り上げていました。彼の顔から笑いが消え、少しの間のあとで白状します。「走ってると、よく裏返るんだよ」。彼には遅刻癖があり、駅まで走るのが当たり前になっていて、傘が裏返るのもいつものことだったのです。「ごめん。同じの買って返すから」。彼は骨の飛び出た傘をたたんで、玄関の隅に立てかけました。
そして...
彼は約束を忘れていないようで、同じ色の傘を探すと言っています。彼の真剣な表情を思い浮かべると、買って返せば済む話なのかなという気持ちは、少しずつ薄れてきました。それでも、ごとき、という言い方だけは、今も忘れられずにいます。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























