「時間制限なんて書いてない」4時間仕事する常連客に、店員の私が返した言葉

コラム

混雑時90分の札は、あの日を境に置くようになりました。表示のなかった店で起きたやりとりを、店員の立場から振り返ります。

2杯目のカップを持って窓側の席へ向かいながら、開いたノートパソコンの数を数えました。

表示のない店で起きていたこと

駅前のカフェで店員として働いて5年になります。店には無料の通信と各席のコンセントがあり、時間制限の表示はありません。オープン当初、ゆっくり過ごしてほしいという店長の考えで置いたものです。そのころは席が余っていました。今は違います。混み合う時間になると、窓側の席はパソコンを開いた人で埋まり、入口で店内を見回してから出ていく人が1日に何人もいます。その日も、扉の内側に2人が立っていました。窓側の一番奥の女性は、週に3日ほど来る常連で、いつも2杯頼み、通話もしません。マナーの悪い客ではないと、私も分かっていました。それでも、席に着いたのは4時間前でした。

線を決めていなかった店

2杯目を運んだとき、私は利用時間について声をかけました。女性は、追加注文もしていること、そして「時間制限なんて書いてない」ことを挙げました。どちらも事実です。こちらが明確なルールを示していない以上、そう返されることも分かっていました。それでも、混んでいる時間に4時間席を使われれば、入れずに帰る人が出ます。私は「書いていないから何時間でもいい、ということでもないと思っています」と伝えました。すると女性が聞きました。「じゃあ、読書でも友達とのおしゃべりでも、4時間いたら同じように声をかけるんですか?」何をしているかを問題にしたことは、一度もありません。だから、その問いには迷わずに答えられました。「混んでいる時間なら、同じです」女性はそこでパソコンを閉じました。私はトレーを両手で持ち直し、失礼しましたと頭を下げて下がりました。女性は2杯目に手をつけず、荷物をまとめて帰りました。それきり、その人は来ていません。

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