
彼女のベージュの傘を逆さにして壊した俺が、目覚ましの時刻を変えるまで
コラム
初めて見た剣幕
「私が選んで買った傘なの。ごときじゃないよ」。玄関に響いた声に、俺はやっと顔を上げました。彼女がここまで怒るのを見たのは初めてです。言い訳を探すうちに、口から出たのは白状でした。「走ってると、よく裏返るんだよ」目覚ましを3つかけても起きられず、駅まで走る生活を続けた結果、傘を裏返すのはいつものことになっていました。「ごめん。同じの買って返すから」今度は笑わずに、手の中の傘をたたみ直しました。
そして...
翌日から、俺は目覚ましの時刻を10分早めました。走らずに駅へ着くと、傘は一度も裏返りません。その日の帰り、寄った店で同じベージュの傘を選び、傘立てに差しておきました。奥に押し込んでいた俺の黒い傘は、一番手前に出してあります。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)



























