
「少しくらい詰められる」優先エレベーターに割り込んだ女性と鳴り続けるブザー
コラム
後ろ向きの一歩
女性を促す声はなく、ブザーだけが同じ調子で続きました。女性の耳のあたりが赤くなっていくのが、ベビーカー越しにも見えました。
「次にします」
女性が後ろ向きに乗り場へ降りると、ブザーは止まりました。扉が閉まり、エレベーターはゆっくり上がりはじめます。誰かが小さく息を吐いたのが聞こえました。
そして...
降りる階に着くまで、子どもは毛布の中で眠ったままでした。扉が開くと、場所を空けてくれた人たちへ礼を伝え、私はベビーカーを押し出しました。1台待ったあとに乗れた場所を、無理に譲らなくてもよかったのだと、今は思っています。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























