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提案を断り続けた私が、次の定例で「この形なら通せます」と言えた理由

コラム

理由を聞かれて返せたのは、持ち帰るという言葉だけでした。怖かったのは、断ることよりも、期待させて裏切ることのほうでした。

断ったはずの企画書を、私は帰りの電車の中でもう一度開いていました。

席上で断り続けた半年

私は販売代理店の営業で、メーカーの企画担当者と月に1度の定例を持っています。彼女の提案はいつも作り込まれていて、資料だけを見れば欠点は多くありません。それでも私は、資料の途中で顔を上げて「それは難しいと思います」と返してきました。うちの決裁は費用に厳しく、席上でどれだけ良く見えても、社内で通る形は別にあるからです。ただ、その事情を、私は一度も説明しませんでした。

答えられなかった質問

あの日、彼女は資料を閉じる前に「難しい理由を教えていただけますか」と聞いてきました。理由なら言えました。費用の枠のこと、決裁の通り方のこと。口にしなかったのは、以前、席上で安請け合いをして社内で通せず、先方に頭を下げた経験があるからです。また期待させて裏切るのが怖くて、私は「持ち帰って、上と相談させてください」とだけ答え、企画書を鞄にしまいました。説明して向き合うより、短く断るほうが楽だという弱さから、私は逃げ続けていました。

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