
タメ口の下書きを毎回消して敬語で送り直していた僕、挨拶のない短い質問が届いた夜、初めて消さずに送った文
コラム
挨拶のない質問
その画面に、挨拶も前置きもない質問が届きました。「もしかして、私に気を使っていますか?」。開いてすぐ、僕はいつものように言い訳の敬語を打ちかけて、途中でやめました。取り繕った文を送れば、きっと同じことの繰り返しでした。既読だけを先につけて、僕は返事のない画面を彼女に見せ続けていました。書いてはやめてを重ねて、最後に残ったのは、飾りのない本音だけでした。「送る前に、いつも文章を書き直しています。失礼なことを書いてしまったら、このやりとりが終わってしまう気がして」。送信ボタンを押すまでに、ずいぶん長い時間がかかりました。
そして...
少ししてから、彼女の返事が届きました。「敬語、なしにしませんか?」。僕は最初に浮かんだ文を、今度は消さずにそのまま送りました。「今度の写真展、一緒に行かない?」。今も、送る前に文章を読み返す癖は残っています。ただ、消すためではなく、ちゃんと伝わるかを確かめるために読み返しています。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)


























