
「その服、前のほうがよかった」会うたび私の服を採点する彼、初めて返した言葉と、その夜届いたもの
コラム
傷ついたと伝えると、彼は自分の評価を「誠実さ」だと説明しました。その言葉を聞いたとき、私は彼の評価に合わせ続けていた自分に気づきました。
改札を抜けて彼を見つけると、私は彼の顔を見るより先に、彼の視線が自分の服のどこへ向かうかを確かめていました。
「前のほうがよかった」から始まった
付き合って半年になる彼は、思ったことをそのまま口にする人でした。待ち合わせで顔を合わせるなり「その服、前のほうがよかったよ」。最初のうちは、率直に見てくれている証拠だと受け止めていました。けれど彼の感想は、褒め言葉よりも先に減点から始まります。会うたびに色や丈を評価され、私は少しずつ、服を選ぶ基準を「自分が好きか」から「彼が減点しないか」へ置き換えていきました。
正解を探すようになった私
出かける前、クローゼットの前で服を3着並べては戻す時間が延びていきました。お気に入りだった黄色のカーディガンは、彼の「その色、ちょっと顔がくすんで見えるね」の一言以来、袖を通していません。その日は久しぶりに、自分の好みだけで選んだ新しいワンピースを着て行きました。彼を見つけた瞬間、口より先に眉が動いたのがわかりました。「うーん、悪くないけど、この前の白のほうが似合ってたかな」。その言葉を聞いたあと、私は新しい服について話す気になれませんでした。
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「本音を言っただけだよ」


























