
彼女の服を採点し続けた俺、先に帰られて気づいた自分の「正しさ」
コラム
「自分の正しさだよ」
席に着いてしばらくして、彼女は「あなたに会う日は、褒められる服を探すようになってた」と言いました。責められている理由がわからず、俺は「本音を言っただけだよ」と返し、「似合ってないのに言わないほうが不誠実でしょ」と続けました。彼女は伝票を手に取り、「あなたが見てるのは私じゃなくて、自分の正しさだよ」と言い残して、先に店を出て行きました。1人で残ったテーブルで、俺は思い返していました。待ち合わせのたびに俺の表情をうかがっていたことも、俺が色について口を出してから黄色のカーディガンを着なくなったことも、そこで初めてつながりました。俺は彼女の服を見るたび、似合うかどうかを勝手に判定していたのです。
そして...
その夜、送りかけていた「言い方は悪かったけど間違ってはない」の下書きを消しました。考えた末に送ったのは、謝罪のあとに「気づかせてくれてありがとう」と書いたメッセージです。返信はすぐには来ませんでした。後日会った彼女から、感想を聞いていないときは服を評価しないでほしいと言われ、俺はうなずきました。自分は正直だったのではなく、求められていない評価を押しつけていたのだと、今は分かります。感想を口にする前に、それを彼女が聞きたがっているかを先に考えるようになりました。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)




























