
場を重くしないのが優しさだと思っていた私、友人の失恋を笑い話にした帰り道、「まだ笑えないんだ」と言われて
コラム
自分の話で集まりの空気が沈んだ経験があります。あのとき笑ってくれる人がいたらと思っていたので、私はその役を引き受けたつもりでいました。
3人分の笑い声のあとに、少しおくれて彼女の声が重なりました。
返事に詰まった彼女の代わりに、私が話し始めました
半年ぶりに顔をそろえたのは、学生時代からの4人です。彼女が付き合っていた相手と別れたのを知っているのは、この中では私だけ。別れた日に長い電話を受けて、格好悪い部分まで聞いていました。
恋愛の近況を聞かれたとき、彼女の返事が遅れました。皆の前で彼女に別れの経緯を話させるより、私が先に笑える形へ変えたほうが、詳しく説明しなくても済む。そう考えて、私はテーブルに身を乗り出しました。
話し始める前に、彼女のほうを見ました。目が合って、断られなかったので、任せてもらえたのだと考えました。返事を待った時間が短すぎたことには、そのとき気づいていませんでした。
「追いかけてる途中で、片方の靴まで脱げたんだよ、この子」
電話で細かい事情まで聞いていた私は、彼女が自分で説明しなくても済むように、代わりに話しているつもりでした。呼び止めた場所も、走って片方の靴が脱げたことも、拾い直したときには相手の姿がなかったことも、聞いた順のまま並べました。
「シンデレラじゃん」と別の友人が言い、3人の笑い声が重なりました。彼女も笑ったので、うまくいったと受け取りました。
しかし、乾杯のときに注がれた彼女の烏龍茶は、店を出るまで同じ高さのままでした。
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帰り道で言われた「まだ笑えないんだ」


























