「今は仕事が大事な時期なんだ」くり返す彼に、私が最後のつもりで伝えた言葉

コラム

最後のつもりで呼び出した席で

宙ぶらりんのまま消えていくのだけは嫌でした。私はいつものカフェに彼を呼び出し、用意してきた言葉を口にしました。「無理して会わなくていいよ。終わりにしたいなら、そう言って」。彼は目を見開き、鞄から1冊の手帳を取り出します。開かれたページに並んでいたのは、貯金の数字と、物件情報の切り抜きでした。「昇進の話が出てて、決まってから言うつもりだった。順番を間違えてた」。一緒に住むための準備を、彼は1人で進めていたのでした。

そして...

「一緒に悩ませてほしかった」。私がそう返すと、彼は深くうなずきました。黙って準備を進めた彼と、確かめもせずに終わりを覚悟した私。どちらも、言葉を1つ惜しんだだけなのだと思います。あの手帳の余白には、その日のうちに、見に行きたい物件の名前を私の字で書き足しました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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