「今さら大学なんて」と笑った夫が、私の卒業式の日に用意していたもの

コラム

冷蔵庫に貼った知らせ

最後のレポートの評価が届いた日、卒業確定の通知を冷蔵庫の扉に貼りました。言葉で報告する代わりの、私なりの意地でした。夫は貼り紙の前で麦茶を注ぎ、なにも言わずに部屋へ戻っていきました。式の案内には同伴者の欄がありましたが、私は空欄のまま返送していました。

そして...

卒業式の朝、食卓に見慣れない茶封筒が置かれていました。中に入っていたのは、折り目のついた大学の願書でした。氏名の欄は、見慣れた夫の字で埋まっていました。付箋が2枚、貼ってありました。「あのときは笑って悪かった」「俺も今さら、始めてみる」。読み終えて最初に出たのは笑い声で、そのせいで、仕上げたばかりの目元をもう一度直すことになりました。私は付箋を手帳に挟み、願書を卒業式へ持っていく鞄に入れて、メッセージを1つ送りました。「帰りに、願書を一緒に出しに行こう」。返事は待たずに、玄関の鍵を閉めました。

(40代女性・事務パート)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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