
「今さら大学なんて」と妻を笑った俺が、4年後の卒業式の朝に残した茶封筒
コラム
書き損じた付箋の束
冷蔵庫の扉に、卒業確定の通知が貼られているのを見つけました。麦茶を注ぐ間に、俺は文面を3回読みました。この家からおめでとうの一言が消えて久しいと、そこで気づいたのです。次の休みの日、俺は妻と同じ大学の資料窓口で、願書を一部もらってきました。氏名の欄を埋めるだけで、ずいぶん時間がかかりました。付箋の文句は、会社の休憩時間に何度も書き損じました。「あのときは笑って悪かった」。その先を「俺も今さら、始めてみる」と決めるまでに、ごみ箱の底に丸めた紙が増えていきました。
そして...
駅のホームでスマホが鳴り、画面に妻の名前が出ました。「帰りに、願書を一緒に出しに行こう」。妻から届いたメッセージを何度も読みました。入力欄には、「ありがとう。帰りに待ってる」と打ちました。今度は言葉を選ぶだけで終わらせず、送信しました。
(40代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)



























