台風がそれても「キャンセル料」を聞き続けた私、どうしても言えなかった本当の理由

コラム

天気の話にすれば角が立たない。そう考えて送り続けた私に、友人はまっすぐ聞いてきました。答えた一言は、嘘ではありませんでした。

宿の予約画面を開くたび、私は合計の欄で指を止めていました。

宿を決めたのは私でした

久しぶりの泊まりの旅行で、行き先も宿も私が選びました。友人は行き先を聞いても、全部任せるとだけ返してきました。それがうれしくて、少し奮発した部屋を押さえたのも私です。ところが予約のあとで家電の買い替えなど予定外の出費が続き、合計の金額が急に重く見えるようになりました。値段の欄だけを何度も開き直しても、金額は当然変わりません。取り直せば済む話だと分かっていても、自分で推した宿を今さら高いとは言えませんでした。

天気のことなら、角が立たないと思っていました

そこで私が持ち出したのが天気でした。「旅行の日、台風来るらしいね」と送れば、宿の話に持っていけると思ったのです。次の日には「台風なら、宿だけ1回キャンセルしておいたほうがいいかな」と送り、その次には「キャンセル料っていつからかかるんだっけ」と聞きました。進路がそれてからも、私は「直前に取り直したほうが安全かな」と書きました。天気を理由に一度予約を外してしまえば、取り直すときにもっと安い宿を出せます。そんな都合のいいことを考えていて、それでも指は同じ方向にしか動きませんでした。

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