台風がそれても「キャンセル料」を聞き続けた私、どうしても言えなかった本当の理由

コラム

聞かれても、値段のことは言えませんでした

店に入る前から、聞かれるだろうと思っていました。キャンセル料が発生する前日、駅前のコーヒー店で友人は先に聞いてきました。「もしかして旅行、行きたくない?」私はカップの持ち手を回して、「行きたくないわけじゃない」と答えました。嘘ではありません。聞かれた瞬間に浮かんだのも、金額のことでした。旅行そのものは楽しみで、やめたかったのは自分で選んだ宿のほうでした。友人にキャンセル料のことを聞かれて、私はスマホで予約画面を開きました。料金の発生する日付をしばらく見てから、宿の名前を指で押さえて、「あの宿、私が決めたやつだから」と言うのがやっとでした。それから合計金額のところを指して、「今見ると、ちょっと高くて」と続けました。

そして...

「高いって言ってくれたらよかったのに」と言われて、私は「全部任せてもらったのに、自分で選んだ宿を今さら高いって言うのが恥ずかしかった」と答えました。判断を間違えたと認めるのが怖くて、天気に肩代わりさせていたのだと思います。その場で宿を取り直し、旅行には行きました。新しく押さえたのは、はじめに選んだ部屋よりひと回り小さい部屋です。それ以来、旅行の相談では、宿を探す前にいくらくらいまでにするかを聞くようになりました。

(30代女性・販売職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

HOT ITEM
  • X
  • Line