
「ちゃんと収まるか見ておきたいんだ」荷造りの際に知った、押し入れいっぱいの箱
コラム
彼が間取り図の余白に書き込んでいた数字の意味を、私は知りませんでした。次の休み、荷造りを手伝いに行った彼の部屋で、同じ大きさの箱が奥まで並んでいます。
私が別の部屋を見終わって戻っても、彼はまだ押し入れの中をのぞいていました。
私が見ていたのは、これからの暮らしでした
付き合って3年になる彼とは、来月から一緒に暮らします。契約した新居へ、家具の採寸に行った日のことです。私はリビングでソファの位置や、カーテンの色を選んでいました。しかし彼は和室へ入るなり押し入れを開け、上の段を何度も測り直します。仕事で寸法を扱う人なので、メジャー自体は珍しくありません。ベランダに出てみると日当たりがよく、明るいねと彼に声をかけましたが、彼はまだ和室にいて、そうだねと言っただけでした。
何がそんなに気になるのだろう
彼を追って和室へ入ります。
「こっちは全然見ないんだね」
「先に、ちゃんと収まるか見ておきたいんだ」
何が、と聞いても、荷物、とだけ返ってきました。帰りの電車でも、彼は間取り図に数字を書き込んでいます。私が思い描いていたのは食事の場所や休日の過ごし方で、彼が数えているのは荷物の入る場所でした。
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戸を開けたら、同じ箱が奥まで並んでいました




























