
「お母さんが作ってよ」と言われた私。それでも料理ノートに日付を残していました
コラム
「私が作ったら、あなたが覚えられないでしょう」
3回目の日、包丁を置いた娘に「そんなにお母さんの味にしたいなら、お母さんが作ってよ」と言われました。全部を自分と同じ味にしたいわけではなく、一度くらいは家の作り方を一緒にやっておきたかっただけです。けれど、そう説明する代わりに「私が作ったら、あなたが覚えられないでしょう」と答えました。今さら一緒に作りたかったと言って、娘に嫌がられるのが怖くて、その理由までは言えませんでした。娘はそれ以上その話をしませんでした。次に帰ってきた日、娘は作るとは言いません。私は煮物の手が離せず、分量を読んでほしいと頼みました。日付が書いてあることは分かっていて、それでもノートを取ってもらいました。娘に日付のことを聞かれて、家を出ると聞いたときのことを初めて話しました。
そして...
日付を残した日はどれも、私が横から直していただけです。一緒に作ったと数えていたのは私のほうだけでした。次に帰ってきた日、娘は自分からノートを開き、まだ日付のない鶏の照り焼きのページを選びます。切った鶏肉に口を出しかけて、私は先に「前より包丁の使い方、慣れたね」と言いました。それから「大きさはそろえてね」と続けます。娘は何も言わず、次の1切れを少しだけ小さく切りました。照り焼きのページにも、新しい日付を書きました。
(50代女性・パート勤務)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























