
彼女の旅行メモにあった懐かしい店→「全部行こう」と言った俺が、昔の話を黙っていた理由
コラム
駄菓子屋の名前を出してしまった
翌日、彼女から「やっぱり、あのたこ焼きが今回一番おいしかったかも」と届きました。俺は考えるより先に、
「駄菓子屋のところね」
と返していました。送ってから気づきました。旅行中、俺は列から離れていません。角の先にある駄菓子屋を、俺が見ているはずはありませんでした。すぐに「なんで駄菓子屋知ってるの?」と返ってきました。打っては消しを繰り返し、結局「小学2年まで、あの近くに住んでたんだ」と送りました。既読がつき、少しして「なんで言ってくれなかったの」と届きました。
「ごめん」と送り、「君が行きたいって選んだところを、そのまま一緒に回りたかった」と続けました。予定を変えたくなかったこと、電車に乗るたび昔の景色を探してしまっていたことも書きました。
最後に、「昔住んでたアパートの近くも通った。建物はなくなって、コインパーキングになってた」と送りました。
返ってきたのは、「ずっと、私のせいだと思ってた」でした。
窓の外を見て返事が遅れたことも、スタンプしか返さなかったことも、彼女には理由が分かりません。俺が説明しなかった分を、彼女は自分のせいだと受け取っていたのだと、その言葉で分かりました。
そして...
「次は、俺の行きたかった場所に付き合ってくれる?」と送りました。
次にあの街へ行くなら、今度は窓の外を見ながら、隣の彼女にも昔の話をしたいと思っています。
(20代男性・システムエンジニア)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























