
マッチングした相手の写真に見覚えのある景色→10年前に転校していった、あの同級生でした
コラム
赤い鉄橋のことを聞いた私に、返ってきたのは「なんで知ってるんですか」という質問でした。たまたま似た景色を知っているだけだと思っていた私は、そのあと届いた言葉を何度も読み返しました。
マッチングアプリで知り合った彼のプロフィールには、料理や旅行の写真に交じって、夕暮れの川辺が1枚だけ載っていました。
見覚えのある夕焼け
プロフィールの2枚目に写っていたのは、ゆるやかに曲がる川と、堤防沿いの道でした。
彼とはマッチしてから何度かメッセージをやりとりしていました。
休日の過ごし方や好きな食べ物などを話していても、私はプロフィールにある川の写真が気になっていました。
画面を拡大すると、対岸の草の切れ目に、見覚えのある形の街灯があります。
子どものころ、私は同じような川辺を何度もスケッチブックに描いていました。
ただ、似た場所はいくらでもあるはずです。
迷った末に、
「その写真、どこで撮ったんですか」
と送りました。
数分後、返信が来ました。
「地元の川です。この写真に触れてくれた人は初めてです」
私はもう一度写真を開きました。
川の曲がり方。
堤防の道。
遠くに並ぶ街灯。
見れば見るほど、記憶にある場所に重なります。
写真には写っていない赤い鉄橋
私は続けて送りました。
「上流のほうに、赤い鉄橋がありませんでしたか」
プロフィールの写真に、鉄橋そのものは写っていません。
それでも、あの川なら少し上流へ歩いたところに赤い鉄橋があったはずです。
しばらくして、
「なんで知ってるんですか」
と返ってきました。
私は、
「10年前まで、私もその川の近くに住んでいました」
と送りました。
その文章を打っているうちに、中学生だったころのことを思い出しました。
教室の窓際。
私の隣の席。
授業中にもスケッチブックの端へ絵を描いていた私に、色鉛筆を貸してくれた男の子がいました。
夏休みが終わって教室へ行くと、その席には別の子が座っていました。
担任から、夏休みの間に引っ越して転校したと聞きました。
本人から「さよなら」を聞くことはありませんでした。
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隣の席にいた人


























