夫の誕生日のケーキに2時間並んだ私が、あと数人のところで列を抜けた理由

コラム

遡った画面で見つけたのは、去年の誕生日に夫が送っていた言葉でした。「いらない」を遠慮だと決めつけていた私は、あと数人まで進んだ列から初めて外れました。

ケーキ店の列は、もう入口が見えるところまで進んでいました。

毎年買っていた、行列のケーキ

結婚して3年、夫の誕生日には毎年、人気店のケーキを買っていました。

予約は受け付けておらず、その日に販売される分を並んで買う店です。

夫は甘いものが嫌いではありません。最初の年に買って帰ると、

「こんなに並んだの?ありがとう」

と喜んでくれました。

それ以来、私は誕生日にはこの店のケーキを用意するものだと思っていました。

今年も午後から列に並ぶつもりで家を出ました。

すると夫から、

「今年もケーキはいらないよ。早く帰っておいで」

とメッセージが届きました。

私は、

「はいはい。楽しみにしてて」

と返しました。

夫が「いらない」と言うのは初めてではありません。

毎年似たことを言われていたので、遠慮しているのだと思っていました。

せっかくの誕生日なのだから、何もないより喜ぶはず。

そう決めていたのです。

列の中で、去年のやりとりを遡りました

その日はいつも以上に列が長く、なかなか進みませんでした。

並び始めて2時間ほどたったころ、夫から、

「今どこ?」

と届きました。

時計を見ると、もうすぐ6時です。

私は、

「もう少しで帰ります」

とだけ返しました。

店の入口はすぐそこでした。

ここまで並んだのだから、あと少し。

そう思ったのに、夫に本当の場所を言わなかったことが気になりました。

なんとなく過去のやりとりを上へ遡ってみました。

去年の誕生日にも、私は、

「まだ並んでる。遅くなってごめん」

と送っています。

夫からは、

「分かった」

とだけ返っていました。

続けて、その翌日のやりとりを確認すると、見覚えのある言葉が出てきました。

「来年は、ケーキはいいから、6時に一緒にごはんを食べよう」

その下には、私の返事も残っています。

「またまた。来年も買ってくるよ」

私はそこで初めて、自分が何をしていたのか分かりました。

夫は遠慮していたのではありません。

欲しいものを、ちゃんと言葉にしていました。

私が勝手に別の意味へ読み替えていただけでした。

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