「誰と会ってたか言う義務ない」と返した俺→本当は20分間、別の返事を打っていました

カップル

彼女との約束と、10日後の説明

数日後、先輩から連絡が来ました。

「土曜、条件の話を詰めたいんだけど来られる?」

その日は彼女と夕飯を食べる約束をしていました。

断ろうか迷いました。でも、給料や休み、仕事の内容までまとめて聞けるのはその日しかありません。俺は先輩に行くと返してから、彼女へ送りました。

「土曜なんだけど、ごめん。用事入った」

返ってきたのは、「わかった」だけでした。

いつもなら何の用事か聞いてくることもありました。その日は何も聞かれませんでした。

自分が送った「義務ない」の言葉が、彼女から質問することまで奪ったのだと、その短い返事で初めて気づきました。

それでも、その時はまだ本当のことを言えませんでした。

先輩の事務所へ行き、条件を聞きました。給料は最初下がり、休みも今より減ります。それでも、やってみたい仕事でした。数日考えて、行くと決めました。先輩に返事をしたその足で駅のベンチに座り、スマホのメモ帳に書きためていた文章を開きました。先輩と会っていたこと。この前もその人だったこと。転職を考えていたこと。最後に、「決まる前に言うのが怖かった。ごめん」を足して送りました。返ってきたのは、「話してくれてありがとう。でも、あの返事はまだちょっと痛い」でした。続けて、「その日も、誰とって聞けなかった」と届きました。あの日の「わかった」を思い出しました。「ごめん。聞けなくしたのは俺だと思う」「次からは、聞かれる前に言う」そう返しました。

そして...

事務所に移って2か月がたちました。出かける前には、「今から事務所行ってくる」と送るようにしています。彼女からは、スタンプが返ってくる日もあれば、「今日は遅くなる?」と聞かれる日もあります。

あの日、電車の中で打っては消した文章のことは、まだ彼女に話していません。「義務ない」と送る前、本当は何を書いていたのか。次にあの日の話になったら、今度は消さずに、自分の口で話すつもりです。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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