「今はまだ言えない」誤送信を問い詰める彼女に、俺が本当の理由を隠したワケ

コラム

彼女から届いた問いに、本当の理由を書けばすぐに済む話でした。それでも打ちかけた言葉を消したのは、友人との約束があったからだけではありません。

送ったはずの返事が友人とのチャットに見当たらないことに気づきました。開いていたのは、すぐ上に並んでいた彼女とのチャット画面。俺の返事の横には、もう既読の表示がついていました。

冗談に冗談で返したつもりだった

きっかけは、大学時代からの友人とのやりとりです。少し前に結婚することを打ち明けられ、「まだ誰にも言うなよ」と念を押されていました。その日届いたのは、招待状の相談でした。

「招待状、2人の名前で出していいよな?席決めるから、その前に別れたら教えて」

同棲中の彼女と俺を、連名で招いてくれるという話。最後の言葉は、あいつらしい照れ隠しです。彼女に「今から帰る」と送ったあと、友人とのチャットに切り替えたつもりで返事を打ちました。

「別れたら教えてって何だよ。お前に言われなくてもそうするわ」

別れるなんて考えもしないから書けた、軽い返事のつもりでした。

文面だけが届いた彼女の立場から

送信取消を押したのは、言い訳を考えるより先でした。消しても遅いことは分かっていたのに。

取り消してから、自分の返事を彼女の立場で読み直してみました。友人の言葉も招待状の話もないところにあの文面だけが届いたら、別れる日をどこかで考えている人の返事に見えたはずです。

すぐに彼女から「さっきの読んじゃった」と届きました。

送り間違いを謝り、相手を聞かれて「大学の友達。冗談で言われただけだから、気にしないで」と返しました。

  • X
  • Line