
「後輩なんだから当たり前でしょ」とパシリ扱いされた私が、最後の一品で主役になったBBQ
ライフスタイル
BBQ場に着くと、炭も網も食材も、荷物のすべてが私の足元にだけ置かれていました。肉が残り少なくなった終盤、私はクーラーボックスから包みを取り出しました。部長が口にしたのは、私の実家の店の名前。先輩たちの表情が変わったのは、その直後でした。
幹事は先輩のはずだった
職場の親睦BBQの幹事は、同じ課の先輩2人です。それなのに、前日に私へ届いたのは買い出しの一覧だけでした。当日も火起こしから席の設営まで、気づけば全部が私の仕事になっています。手が空いた先輩に網を代わってほしいと頼むと、返ってきたのは笑い声でした。
「後輩なんだから当たり前でしょ」
周りの同僚は目を合わせず、紙コップに口をつけています。私は軍手をはめ直して、炭の位置を整えました。
聞こえないふり
肉が焼き上がるたび、先輩たちの席から紙皿だけが差し出されました。先輩たちは焼けた端から取り分けて、自分たちの話に戻っていきます。予算を渡されたのは私なのに、肉が薄いという不満が続きました。
「もっといい肉、買えなかったの?」
渡された金額で買えるものを選んだと説明しても、聞こえないふりをされました。それでも腹が立たなかったのは、クーラーボックスの底の包みがあったからです。実家は駅前で小さな精肉店を営んでいます。今回のために、一番いい部位を選んで仕込んできたのです。
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最後の一品
























