
「感想を聞かせてください」。中古の本に挟まっていた紙に、私が3年後送信したメール
ライフスタイル
返事は、感想への答えではなく
次の日、返事が届きました。「読んでくださって、ありがとうございます。1つ聞かせてください。最後まで読まれましたか」。私は「3度読みました」と返しました。間が空いて、こう続きます。「僕は120ページで止まったままです。この本は、付き合っていた人から、読んだら感想を聞かせてと渡されたものでした。別れてから先を読めなくなって、手放すときに、その言葉を自分の字で挟みました」。あの1行は、本を愛した人の誘いではなく、返せなかった約束の続きだったのです。角の丸くなった背は、たぶん同じところを開いては閉じた跡だったのでしょう。
そして...
「最後の章のことを、お話ししましょうか」と打つと、返事はすぐでした。「いえ。あなたの文を読み終えてから、続きを読みます」。私は本を開き、120ページに挟んだままだった紙を、最後のページへ移しました。3年かけて長くなった文は、感想を待っていた人ではなく、感想を返せずにいた人のところへ届いたのです。それでよかったと、今は思っています。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























