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    「お母さんってほんとケチだよね」と言う娘に、20年近く保険のことを話さなかった私の理由

    ライフスタイル

    「ケチだよね」と言われたとき、口まで出かかった言葉がありました。いつもと違う娘の返事を聞いた私は、テレビ台の引き出しを確かめることにしました。

    レジの合間に、娘へ送ったメッセージを読み返していました。荷物の受け取りと、印鑑のありかを伝えただけの短い文面です。ところが送ったあとで、印鑑の下に何をしまっていたかを思い出しました。

    言いかけて、のみ込んだ言葉

    数日前、娘が通販の箱を開けているのを後ろから覗き込みました。

    「また買ったの?それ、本当に要る?」

    「自分の給料なんだからいいでしょ。お母さんってほんとケチだよね」

    娘にそう言われて、口から出かかったのは「あなたのために残しているものもあるのよ」という言葉でした。けれど、言えば恩着せがましく聞こえる気がして、そのままキッチンへ戻ったのです。

    ケチと言われるのは初めてではありません。電気の消し忘れにも、コンビニの飲み物にも口を出してきたのだから、そう思われても仕方がないとも思っていました。

    私の母から手渡された通帳

    私が実家を出たのは24歳のとき。荷物をまとめていると、私の母が1冊の通帳を差し出しました。

    「困ったときに使いなさい」

    中には、知らないうちに積み立てられていたお金が入っていました。最初に勤めた会社が合わず、辞めて次の仕事を探した数か月。あの通帳がなければ、実家に戻るしかなかったと思います。

    娘が8歳のとき、同じものを用意しようと決めて保険に入りました。満期は娘が30歳になる年。家を出るときか満期の日まで、何も言わずに続けるつもりでした。

    娘が知っていれば、どこかで当てにしてしまう。自分で稼いだお金の使い道は、自分で覚えてほしかったのです。母が通帳のことを一度も口にしなかった理由も、自分が親になって分かった気がしました。

    ちなみに、何年も同じコートを着ているのは、ただ気に入っているからです。口うるさいのも半分は性分で、娘のためと言い切れるほどきれいなものではありません。

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