
「私は先輩じゃないので」と返した私が、先輩の失敗の記録を読み始めた理由
ライフスタイル
同じ順番で並んでいた失敗
退職の日、先輩は最後に私の席へ来て言いました。「引き出し、一番下だけ片付けきれなかったの。悪いけど、お願いね」。最後まで押しつけるのかと、花束を渡しながら思っていました。
エレベーターの扉が閉まったあと、引き出しを引くと、角の丸くなった黒い手帳が1冊。表紙の年号は20年近く前でした。「宛名、様と御中を両方書いた」「見積書、桁を1つ間違えた」。私の失敗が同じ順番で並び、余白には「誰も何も言ってくれない」とあります。最後のページの1行だけ、インクの色が新しいものでした。「同じ順番で間違えている。だから大丈夫」。
そして...
比べるための言葉だと思って聞いていました。あれは、私はここまで来られたのだと伝えるための言葉だったのかもしれません。今、私の机の一番下には手帳が2冊。古いほうの、あの1行の下から、自分の失敗を書き始めたところです。
(20代女性・営業事務)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























