誕生日の前日というのは、どこか特別な気持ちになるもの。出張中の彼とは離れて過ごすことになっていたけれど、「帰ったらお祝いしようね」という約束を信じていました。けれど、夜に届いた一通のLINEが、私の目を覚まさせてくれたのです。

誕生日前夜に届いた、決定的な誤送信

誕生日を翌日に控えた夜、仕事を終えた私のスマホが鳴りました。画面には彼の名前。きっと「明日おめでとう」の一言でも届いたのだろう——そう思って開いたメッセージには、全く予想していなかった言葉が並んでいました。

「明日のチェックイン何時にする？　夜は夜景の見えるレストラン予約したよ」

私との間に、そんな約束はありません。しかも彼は出張中のはず。これは明らかに、私以外の誰かに向けたメッセージでした。数分後、彼から慌てた様子で「ごめん、間違えた。同僚との打ち合わせの話」と訂正が届きましたが、「夜景の見えるレストラン」が仕事の打ち合わせであるはずがありません。私は冷静に、そのスクリーンショットを保存しました。

静かに集めた、逃れられない証拠の数々

その夜から、私は感情を抑えて情報を集め始めました。彼のSNSを確認すると、共通の友人がアップした写真の中に、彼と見知らぬ女性が親しげに写っているものを見つけました。位置情報を見ると、出張先とは全く違う有名な温泉地でした。

さらに調べていくと、その女性のアカウントも特定できました。そこには「大好きな人と記念日旅行」というコメントとともに、彼とお揃いのグラスを持つ写真が投稿されていたのです。私の誕生日を目前にしながら、彼は別の女性との「記念日」を祝っていた——。怒りを通り越して、不思議なほど頭が冴えていくのを感じました。すべての証拠をきちんと保存し、私は彼の帰りを待つことにしたのです。