
私が伝えた候補日だけ、好きな人の予定が埋まっていた話
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精いっぱいの強がりを送ったあとで
翌日になっても、ページの並びは同じでした。理由を尋ねるのは重いし、知らないふりで誘い直すのも苦しい。迷った末に、いちばん傷つかずに済みそうな言葉を選びました。
「予約ページ、見ました。忙しそうなので、落ち着いたらまた誘ってください」
送ってすぐ、アプリごと閉じました。これで終わるならそれまでの縁だと、先回りして自分に言い聞かせるためです。
返ってきたのは、文字ではありませんでした。彼の名前が、着信の表示といっしょに浮かんでいます。出ると、いつもより早口の声が聞こえました。
「あれは埋まったんじゃなくて、埋まらないようにしてたんだ」
説明を待つ私に、彼は続けました。
「行きたいって言ってた店の予約が取れてから、誘うつもりだった」
彼は、二度目に会った帰りに私が話した、路地裏のイタリアンの予約を取ろうとしてくれていたのです。あの店は来月分の予約がまだ取れないのだと、彼は言いました。
「先に言ってよ」
「ごめん。先に言えばよかった」
返した声は、自分で思っていたより明るく出ました。
「お店なんて、どこでもよかったのに」
そして...
21日、駅前で待ち合わせて、店は歩きながら相談して決めました。彼は閉じたままの三つの枠の話をして、今さらのように頭を下げました。
手帳の三つの丸は、会えた日だけを残して消しました。次の約束は、予約ページではなく、ふたりのトーク画面で決めるつもりです。
(20代女性・営業事務)
本人記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)

























