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母の「犠牲にした」という言葉が重くて距離を置いた俺が、結婚式前夜に原稿を書き直した夜のこと

コラム

母の口癖が、ずっと苦しかった。その一言を受け流せるようになるまでに、俺はずいぶん遠回りをしました。

繰り返された「犠牲」という言葉

3歳のとき両親が別れ、俺は母に育てられました。父からの養育費は半年で途絶えたと、後になって知ったことです。母はパートを掛け持ちしながら、眠る時間を削って俺を育ててくれた母。感謝しかないはずなのに、ある時期から母の口癖が胸に重く刺さるようになりました。

「あんたのために犠牲にした」

一人暮らしを決めたとき、就職が決まったとき、結婚相手を連れてきたとき。節目のたびに、同じ言葉を聞きました。そのたびに俺は返す言葉を失い、食卓の会話は途切れました。

実家から逃げた数年間

就職して家を出てから、俺は実家に寄りつかなくなりました。電話も最低限。母を嫌いになったわけではありません。ただ、顔を合わせるたびに「犠牲」という言葉を受け止めるのが怖かったのです。自分の人生を選ぶたびに、母の人生を削っている気がする。その罪悪感が積み重なって、息苦しくなっていきました。同時に、こんな形で距離を取る自分を、心のどこかでずっと責めてもいました。逃げている自覚はあったのに、どう向き合えばいいのかは分からないままでした。

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