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「ちょっと待ってて」と言ったまま30分。彼女に送った1枚の写真が、何の説明にもなっていなかった夜

コラム

写真だけでは伝わらないこと

ベンチに座って、もう一度自分が送った写真を見直しました。点滴の管。小さな手。それを握る、自分の手。背景には何も写っていません。ふと気づきました。彼女には、これが誰の手なのかわからない。俺には甥のことも、姉が夫と別れたことも一度も話したことがないのだから、わかるはずがないのです。

そして…

翌朝、姉と甥が落ち着いたのを見届けてから、長いメッセージを打ちました。「ごめん、説明する」と書き始めて、姉のこと、甥のこと、彼女に話していなかった理由を順番に説明しました。家族のごたついた事情を、彼女に背負わせたくないと勝手に思っていた、と書きました。それは半分は本当で、半分は逃げでした。話していれば、あの夜、写真の前にひと言「甥っ子のこと」と添えられたはずです。30分の沈黙は、その1年の沈黙が一気に表に出てきた時間だったのだろうと、今は思っています。

(20代男性・営業職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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