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「子連れは迷惑でしょ」と睨まれた美術館で、隣に立った学芸員が見せた行動

コラム

隣に立ってくれた学芸員さん

そのとき、すっと隣に人の気配が立ちました。ベージュのジャケットを着た学芸員さんでした。 「どの絵が一番気になりましたか?」 柔らかな声で、私と娘に向かって話しかけてくれたのです。女性は何も言わず、別の展示室へ歩き去っていきました。

学芸員さんは、私たちのペースに合わせてゆっくりと作品を案内してくれました。娘が「お姉さん、絵にも家族がいるの?」と尋ねると、少しかがんで娘の目線に合わせ、「いるんですよ。この絵を描いた人にも、お母さんがいたんです」と答えてくれました。娘はうれしそうにうなずいていました。

そして...

出口に向かうとき、学芸員さんが「またいつでもいらしてくださいね」と笑顔で見送ってくれました。娘は帰りの電車で、もらったパンフレットを大事そうに抱えていました。 あの女性に言われた言葉は、今も忘れられません。けれど、それ以上に強く残っているのは、隣に立ってくれた学芸員さんです。何も特別なことを言ったわけではない。ただ、私たちのとなりに立ってくれた。それだけのことが、これほど人の心を支えるのだと知りました。 娘は、また絵を見に行きたいと言っています。今度はきっと、もう少し胸を張って歩けそうな気がしています。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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