
「俺だけ小遣い制って不公平じゃない?」と不満を言い続ける夫→家計簿を見せた夜の沈黙
コラム
画面の上で動かなくなった視線
給与から住宅ローンが引かれ、食費、光熱費、保育園代、夫婦それぞれの保険料、通信費。差し引いていく数字を、夫はじっと追っていました。最後に残った「私の自由に使える金額」が、夫の小遣いより少ないことに気づいた瞬間、夫の視線がある一行のところで張りついたまま動かなくなったのです。「え、お前のほうが少ないの?」声は小さく、それきり夫はしばらく何も言いませんでした。私はただ、画面の隣に置いた湯のみを見つめていました。
そして...
翌朝、いつもより早くキッチンに来た夫が言いました。「今月から俺も家計把握させて」私は思わず手を止めました。怒っているわけでも、責めているわけでもない、まっすぐな声でした。それから1か月、夫は家計簿アプリを毎日開くようになり、コンビニでの何気ない買い物が目に見えて減りました。家計に関する会話も少しずつ増えています。私が伝えたかったのは「我慢比べに勝ちたい」ではありません。同じ家計の中にいるのだと、ただそれだけを共有できた夜のことを、私は忘れないでしょう。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























