
結婚報告を「メッセージで」と先回りした私→式当日、原稿を握りしめてマイクの前に立った日
コラム
原稿を握りしめてマイクの前に立った日
式当日、彼女のドレス姿を見た瞬間、書きためた言葉のどこから話せばいいか分からなくなりました。入場のときに「来てくれてありがとう」と声をかけられて、私はうなずくことしかできませんでした。
友人代表として呼ばれてマイクの前に立つと、会場の人たちが、穏やかに私を待ってくれていました。原稿を広げる前に、まっすぐ彼女を見て言いました。「メッセージで返したのはね、私、直接会ったら絶対泣くと思ったから」。会場のどこかで、小さく笑い声が起こりました。
そして...
「今日は思いきり泣くって、決めてたの」。私はそのまま、ぼろぼろと涙をこぼしていました。スピーチの中身は、半分も思い出せません。それでも、彼女が同じように泣いて、同じように笑ってくれていたことは覚えています。
メッセージで先回りしたあの夜、私はきっと彼女を少し傷つけました。「軽く扱われた」と感じさせてしまった可能性は、何度も考えていたのです。それでも、今日この日に私の本心を伝えられるなら、あの不器用な盾にも意味があった。10年の付き合いを言葉にするには、私はやはり「メッセージで」と「マイクの前で」、その両方が必要だったのだと思います。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























