
親友に「失ってから気づいても遅い」と言われた俺が、変わったことを彼女に頑なに認めない理由
コラム
俺は付き合って2年になる彼女がいます。長年の親友が、付き合いの長かった彼女と別れたのは、3カ月前のことでした。その晩、飲み屋で親友から言われた一言が、それからの俺の毎日を少しずつ変えていったのです。
「失ってから気づいても遅い」
3カ月前、親友が長年付き合った彼女に振られました。彼女の方から「あなたは私を大切にしてくれなかった」と言われたそうです。普段はおどけてばかりの親友が、その夜の飲み屋では別人のように沈んでいました。
何杯目かのビールが空になった頃、親友が言いました。「お前は今のうちに伝えとけ。失ってから気づいても遅い」本気でした。うまく返せないまま、グラスを傾けるだけでした。
帰り道、その言葉が頭の中で何度も繰り返されました。俺は彼女に、ちゃんと感謝を伝えてきただろうか。多分、伝えていない。終電の窓に映る自分の顔が、いつもより冴えなく見えました。
ひそかに変えていったもの
翌朝から、俺は少しずつ態度を変えてみることにしました。彼女からの「おはよう」にはすぐ返す。送ってくれた料理の写真には「うまそう」と一言添える。デートの帰り際には「今日ありがとう」と送る。
大げさなことはしません。気づかれないくらいの小さな変化を、こっそり積み重ねていきました。「変わったね」と言われたくなかったわけではない。むしろ言われたかったのかもしれません。ただ、認めるのは別の話でした。
何より、自分の中でしっくりこないのです。「変わった」と認めることは、それまでの自分が「冷たかった」と認めることになる。そう思うと、素直にうなずけませんでした。
次のページへ
「気のせいだろ」と返した夜

























